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「自然に治る」を待っていい?子供の歯並びが気になったときのチェックリスト

2026.01.29

ファミリー⻭科

「自然に治る」を待っていい?子供の歯並びが気になったときのチェックリスト

子どもの歯並びを見て、「すきっ歯だけど自然に治るのかな?」「このまま様子を見て大丈夫?」と不安になる保護者の方は少なくありません。一般的に3歳頃は乳歯が生えそろい、歯と歯のすき間や並び方が気になりやすい時期です。しかし、子どもの歯並びは大人と違い、成長とともに大きく変化します。乳歯の段階では、永久歯が生えるためのスペースとして歯間にすき間がある方が自然な場合もあります。
一方で、歯並びは歯の生え方だけで決まるものではありません。顎の成長バランスや、指しゃぶり・舌の癖・口呼吸などの日常的な癖が、噛み合わせや歯列に影響することもあります。そのため「自然に治るケース」と「治りにくいケース」を見分けることが大切です。そこで本記事では、子どもの歯並びが自然に整うことがある例と、早めに相談したほうがよいサインを整理し、家庭でできる対策や受診の目安を分かりやすく解説します。

乳歯のすきっ歯は自然なことも多いですが、噛み合わせのズレや癖がある場合は、歯科医院で相談すると安心です。

 

監修した先生

奈良 倫之先生

奈良 倫之 先生

医療法人社団 歯友会 理事長
ファミリー歯科 院長

第1章 「自然に治る」ことが多い歯並びとは?知っておきたい基礎知識

子どもの歯並びは、乳歯が生えそろう3歳頃から気になりやすくなります。「すきっ歯のまま戻らなかったらどうしよう」「将来ガタガタになったら矯正が必要?」と、早い段階で不安になる方も多いでしょう。
ただし、この時期の歯並びは成長とともに大きく変化します。乳歯期は、顎の成長や永久歯への生え変わりを前提とした成長の途中です。見た目だけで判断すると必要以上に心配してしまうことがあります。まずは「自然に治ることが多い歯並び」の特徴を紹介します。

3歳のすきっ歯は「異常」ではないことが多い

3歳頃の乳歯列でよくある悩みが「すきっ歯」です。しかし乳歯のすきっ歯は、必ずしも悪い状態とは限りません。むしろ、永久歯は乳歯よりも幅が大きいため、あとから生えてくる歯のスペースとして、歯の間にすき間が必要になることがあります。
このすき間は「発育空隙(はついくくうげき)」と呼ばれ、成長途中の子どもではよく見られます。歯と歯がぴったりくっついている方が整って見える一方で、乳歯が過度に詰まっている場合は、永久歯が生えるスペースが足りず、将来的にガタガタしやすくなることもあります。
乳歯期のすきっ歯は「治すべき歯並び」というより、「成長の過程で起こりうる自然な状態」として捉えたほうがよいケースが多いのです。

参照:日本小児歯科学会 こどもたちの口と歯の質問箱 歯ならび・癖Q. うちの子は3歳です。歯がすきっ歯です。治りませんか?
 https://www.jspd.or.jp/question/until_school/

子供の歯並びは成長で大きく変化する

子どもの歯並びは、歯の生え方だけで決まるわけではありません。顎の骨が成長し、顔つきが変わるのと同じように、口の中も少しずつ広がり、歯が並ぶ土台が変わっていきます。
乳歯列(乳歯がそろった状態)から、混合歯列(乳歯と永久歯が混ざる状態)を経て、永久歯列へ移行するまでの間は、見た目の印象が大きく変わることも珍しくありません。
たとえば前歯が抜けた直後はすき間が目立ちますし、永久歯が生え始めた時期は、一時的にデコボコに見えることもあります。こうした変化だけを見て「歯並びが悪くなった」と判断すると、不安が強くなってしまいます。
大切なのは、今がどの段階なのかを知ったうえで、「成長に伴う変化として自然な範囲か」を見極めることです。

参照:文部科学省 歯・口の健康づくりの理論と基礎知識
 https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/06/23/1306939_03.pdf

自然に整いやすい歯並びの特徴と目安

子どもの歯並びは、自然に整っていくことが多い傾向があります。たとえば乳歯のすきっ歯や、歯の生え変わり時期の一時的なデコボコは、その代表例です。
子どもの歯並びが以下の状態なら、様子見しても良いでしょう。

  • すきっ歯はあるが、噛みにくさや痛みはない
  • 顎がずれている様子や左右差が目立たない
  • 食べる・話すなど日常生活に困りがない
  • 指しゃぶりや口呼吸などの癖が強くない

ただし、「様子見=放置」ではありません。子どもの歯並びは変化が大きい分、癖や噛み合わせのズレがあるとそのまま定着することもあります。迷う場合は、小児歯科で一度確認してもらうと安心です。

参照:日本小児歯科学会 子どもたちの歯並び・かみ合わせの治療に関するQ&A
 https://www.jspd.or.jp/question/qa/

第2章 自然に治りにくい歯並びとは?早めに相談したほうがよいサイン

子どもの歯並びの中には、成長とともに整いやすいものがある一方で、自然に任せるだけでは改善しにくいケースもあります。こうした歯並びは、顎の成長バランスや噛み合わせ、日常の癖が関係していることが多く、放置すると状態が固定化することがあります。大切なのは、早く治療を始めることではなく、「様子見でよいのか」「確認が必要か」を見極めることです。

噛み合わせのズレは自然に治りにくいことがある

上下の歯の噛み合わせに大きなズレがあると、成長しても自然に整うとは限りません。たとえば下の前歯が上の前歯より前に出る受け口(反対咬合)や、片側だけ噛み合わせが逆になる交叉咬合などは、顎の成長に影響することがあります。
これらは顎の動きや噛む力のかかり方に偏りが生じやすく、歯科医院で確認しておく意義があるとされています。

参照:日本小児歯科学会 子どもたちの歯並び・かみ合わせの治療に関するQ&A
 https://www.jspd.or.jp/question/qa/

歯並びに影響する癖には注意

歯並びや噛み合わせは、歯の生え方だけでなく、日常的な癖の影響を受けることがあります。指しゃぶり、舌で前歯を押す癖、口呼吸、唇を噛む癖などが長く続くと、歯や顎に持続的な力がかかり、歯列が乱れやすくなります。
特に成長期の子どもは、骨や筋肉が柔らかいため、こうした癖の影響を受けやすいと考えられています。癖が続いている場合は、歯並びが自然に治るかどうかを判断する前に、歯科医院で歯並びを確認してもらうと安心です。

参照:日本小児歯科学会 こどもたちの口と歯の質問箱
 https://www.jspd.or.jp/question/until_school/

様子見が不安なときは、早めに歯科医院に相談を

歯並びが自然に治るかどうかは、年齢や成長段階、噛み合わせ、癖の有無などを総合的に見て判断します。そのため、見た目だけで判断するのは難しいこともあります。
「噛みにくそう」「顎がずれて見える」「口がいつも開いている」など、気になるサインがある場合は、小児歯科で現状を評価してもらうと安心です。多くの場合、すぐに矯正治療を始めるのではなく、経過観察や生活習慣の見直しが提案されます。自然に治る可能性を残しつつ、治療が必要なタイミングを逃さないためにも、早めの相談が役立ちます。

参照:日本小児歯科学会 子どもたちの歯並び・かみ合わせの治療に関するQ&A
 https://www.jspd.or.jp/question/qa/

第3章 子供の歯並びは自然に治る?見極めの目安

子どもの歯並びは成長に伴い変化するため、「今すぐ治療が必要かどうか」を家庭で判断するのは難しいものです。特に乳歯から永久歯へ生え変わる時期は、一時的にすき間ができたり、デコボコに見えたりすることもあります。そこでこの章では、保護者の方が整理しやすいように、「様子見しやすいケース」と「早めに相談したいサイン」をまとめました。

まず確認したい「歯並びが自然に整いやすいサイン」

歯並びが気になっても、以下のように生活に困りがなく、噛み合わせに大きなズレがない場合は、成長や生え変わりの中で自然に整うことがあります。
特に乳歯期のすきっ歯は、永久歯が生えるためのスペースとして自然に見られることがあるため、すきっ歯=異常と決めつけないことが大切です。

参照:日本小児歯科学会 こどもたちの口と歯の質問箱 歯ならび・癖Q. うちの子は3歳です。歯がすきっ歯です。治りませんか?
 https://www.jspd.or.jp/question/until_school/

様子見と受診する目安

以下の表で、現在の状態がどちらに近いかを確認してみましょう。

観察の目安

観察ポイント 様子見の目安(自然に整う可能性) 相談を検討(自然に治りにくい可能性)
すきっ歯 乳歯のすきっ歯が中心 永久歯が生えても強いすき間が残る
歯のデコボコ 生え変わりの途中で一時的 前歯・奥歯ともに強いガタつきがある
噛み合わせ 大きなズレがない 受け口/交叉咬合など噛み合わせのズレ
顎の見た目 左右差が目立たない 顎が曲がって見える・片側で噛む
口の癖 目立つ癖がない 指しゃぶり・舌癖・口呼吸が続く
生活の影響 食べる・話すに困りなし 噛みにくい/発音しづらいなど

迷ったら歯科医院で相談を

チェック表で「相談を検討」に当てはまる項目が複数ある場合は、小児歯科で状態を確認してもらうと安心です。ここで重要なのは、「矯正を始めるかどうか」を決める場ではなく、自然に治る範囲か、経過観察でよいかを判断してもらうことです。
歯並びは成長とともに変化し、癖の影響も受けます。だからこそ、必要以上に焦らず、しかし見逃さずに、相談という選択肢を持っておくことが大切です。

参照:日本小児歯科学会 子どもたちの歯並び・かみ合わせの治療に関するQ&A
 https://www.jspd.or.jp/question/qa/

第4章 何歳で相談する?小児歯科・矯正の受診目安と考え方

子どもの歯並びが気になったとき、「何歳から歯科医院に相談すればいいの?」「矯正を勧められたらどうしよう」と迷う方は多いでしょう。実際には、受診=すぐ治療開始ではありません。まずは“現在の状態を評価する”ことが目的であり、必要に応じて経過観察や生活習慣の改善から始めるケースも多くあります。ここでは、子どもの歯並びを相談するタイミングの考え方と、受診の目安を整理します。

受診の目的は「矯正を決める」ことではなく「状態を知る」こと

歯並びが気になると「矯正しなければいけないのか」と不安になりがちですが、必ずしも矯正が必要とは限りません。まずは今の歯並びや噛み合わせが、成長の範囲として自然かどうかを確認することが大切です。
乳歯期のすきっ歯などは自然な場合もあり、経過観察で済むこともあります。噛み合わせのズレや癖がある場合は矯正が必要なこともあり、早めに状況を把握しておくと安心です。受診は治療の決断ではなく、経過観察と早期の判断のためと捉えるとよいでしょう。

参照:日本小児歯科学会 こどもたちの口と歯の質問箱 歯ならび・癖
 https://www.jspd.or.jp/question/until_school/

年齢別の受診目安(3歳・就学前・小学生)

相談のタイミングは「何歳になったら必ず」という決まりがあるわけではありません。ただ、以下を目安にしてください。

  • 3歳前後 乳歯が生えそろい、すきっ歯や歯列が気になりやすい時期
  • 就学前(56歳) 癖(口呼吸・指しゃぶり等)による影響が固定化し始めることがある
  • 小学生(前歯が永久歯に変わる頃) 噛み合わせや顎のバランスを確認する意義が高い時期

歯並びは顎の成長と関係するため、成長途中の段階で状態を評価してもらうことは、過度な心配を減らすことにもつながります。

参照:文部科学省 歯・口の健康づくりの理論と基礎知識
 https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/06/23/1306939_03.pdf

受診前に整理しておくと相談がスムーズになるポイント

小児歯科で相談するときは、気になっている点を整理しておくと診察がしやすくなります。たとえば以下のような項目は、判断材料としてとても役立ちます。メモ書き程度で良いので、事前に以下の項目をまとめておくと良いでしょう。

  • いつ頃から歯並びが気になったか
  • 食べ方(噛みにくさ・片側噛み)や発音の気になる点
  • 指しゃぶり・舌癖・口呼吸などの癖の有無
  • 写真(正面・横・噛み合わせ)があると変化が分かりやすい

受診では今すぐ治療が必要かだけでなく、「自然に治る可能性が高いか」「癖への対応が必要か」も含めて確認できます。迷ったら一度、歯科医院で診察するのがよいでしょう。

第5章 歯並びを悪化させないために家庭でできること

子どもの歯並びは、成長や生え変わりの影響を大きく受けますが、同時に口の癖(口腔習癖)や生活習慣によって歯や顎に力がかかり、歯列が乱れやすくなることがあります。矯正が必要かどうかは個別判断ですが、日常の中で悪化しやすい要因を減らすことで、将来的な歯並びトラブルの予防につながります。

参照:日本小児歯科学会 子どもたちの歯並び・かみ合わせの治療に関するQ&A
 https://www.jspd.or.jp/question/qa/

家庭で意識したいポイント

  • 口が開いている時間が多くないか(口呼吸)
  • 指しゃぶり・舌癖が続いていないか
  • 頬杖・うつ伏せ寝など、顎に偏った力がかかっていないか
  • やわらかい物ばかりで噛む回数が少なくなっていないか

参照:日本小児歯科学会(こどもたちの口と歯の質問箱 歯ならび・癖Q.)
 https://www.jspd.or.jp/question/until_school/

歯並びに影響しやすい癖と、家庭でできる対策

影響しやすい癖・習慣 歯並びへの影響(例) 家庭でできる対策
指しゃぶりが続く 前歯が出る・すき間が残ることがある 無理に叱らず、安心できる代替行動を増やす
口呼吸(口が開いている) 歯列が狭くなりやすい 鼻づまり対策・寝室の乾燥対策・日中の声かけ
舌で前歯を押す癖(舌癖) すきっ歯・出っ歯傾向 飲み込み方や口の閉じ方を歯科で相談
頬杖・うつ伏せ寝 顎の左右差・噛み合わせの偏り 姿勢・寝方・枕の調整
やわらかい物中心 噛む筋肉が育ちにくい よく噛む工夫(食材の切り方や硬さ調整)

参照:文部科学省 歯・口の健康づくりの理論と基礎知識
 https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/06/23/1306939_03.pdf

無理なく続けるコツ

  • 「やめさせる」より癖が出にくい環境づくりを優先する
  • 子どもが不安定な時期は癖が増えることもあるため、焦らない
  • 気になる場合は「治療するため」ではなく、自然に治る範囲か確認するために小児歯科へ相談する

まとめ

子どもの歯並びは、大人のように完成した状態ではなく、乳歯から永久歯へ生え変わる過程で大きく変化します。とくに3歳頃の乳歯のすきっ歯は、永久歯が生えるためのスペースとして自然に見られることもあり、すぐに異常と決めつける必要はありません。
一方で、受け口など噛み合わせのズレが目立つ場合や、指しゃぶり、口呼吸、舌の癖が続く場合は、自然に治りにくいケースもあります。歯並びは成長だけで決まるものではありません。生活習慣や癖の影響も含めて考慮しましょう。迷ったときは矯正を急ぐのではなく、今の状態が自然な範囲かどうかを歯科医院で確認すると安心です。子どもの成長を見守りながら、気になるサインは早めに相談していきましょう。

 

作成日 2026年1月25日

参考文献

日本小児歯科学会 こどもたちの口と歯の質問箱 歯ならび・癖Q. うちの子は3歳です。歯がすきっ歯です。治りませんか?
https://www.jspd.or.jp/question/until_school/

日本小児歯科学会 子どもたちの歯並び・かみ合わせの治療に関するQ&A
 https://www.jspd.or.jp/question/qa/

文部科学省 歯・口の健康づくりの理論と基礎知識
 https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/06/23/1306939_03.pdf

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