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子供が歯磨きを嫌がるのはいつから?年齢別の歯磨き法

2026.02.28

ファミリー⻭科

子供が歯磨きを嫌がるのはいつから?年齢別の歯磨き法

子どもの歯磨きについて、「始めた途端に嫌がるようになった」「毎回泣いてしまい、これで良いのか不安になる」と感じた経験のある保護者の方は少なくありません。歯磨きを嫌がる様子が続くと、この対応で合っているのだろうか、いつまで続くのだろうと不安になる方も多いようです。

歯磨きを嫌がる姿を見ると、「きちんと磨かないと虫歯になるのでは」「今のうちに歯磨きの習慣が身につかないと後が大変なのに」と焦りを感じてしまうこともあります。しかし、乳幼児期の歯磨き拒否は、しつけ不足や保護者の努力が足りないことが原因とは限りません。多くの場合、子どもの発達段階や生活リズム、自我の芽生えといった成長過程の中で見られる、ごく自然な反応です。

また、歯磨きは「歯が生えたらすぐに毎日きちんと行うもの」と考えられがちですが、実際には年齢や状況に応じて異なります。始める時期ややり方を誤解したまま続けてしまうと、歯磨きそのものに強い抵抗感を持たせてしまうこともあります。

この記事では、子どもが歯磨きを嫌がりやすい時期や歯磨きを始める目安、無理のない関わり方について解説します。焦らず、家庭ごとのペースで続けるためのヒントとして役立ててください。

 

監修した先生

奈良 倫之先生

奈良 倫之 先生

医療法人社団 歯友会 理事長
ファミリー歯科 院長

第1章 子供が歯磨きを嫌がり始める時期

子どもが歯磨きを嫌がるようになる時期には個人差がありますが、多くの家庭で「急に嫌がるようになった」と感じやすいタイミングがあります。歯磨きの方法が変わったわけでもないのに拒否が強くなると、戸惑いを覚える保護者の方も少なくありません。しかし、この変化は成長過程の中で比較的よく見られるものです。

1歳前後に見られやすい変化

歯磨きを嫌がり始める時期としてよく挙げられるのが、1歳前後です。この頃になると周囲への興味が強まり、自分の意思を少しずつ表に出すようになります。仰向けに寝かされることや、口の中に歯ブラシを入れられる感覚に対して、不快感をはっきり示すようになる子どももいます。

また、歯磨きの時間帯が眠い・疲れているタイミングと重なっている場合、拒否が強く出やすくなります。歯磨きそのものが嫌なのではなく、体調や気分の影響を受けているケースも少なくありません。

2歳前後の「自我の芽生え」と歯磨き

2歳前後になると、いわゆるイヤイヤ期に入る子どもが増えてきます。この時期は、「自分でやりたい」「思いどおりにしたい」という気持ちが強くなり、大人の働きかけに反発しやすくなります。歯磨きも例外ではなく、保護者が口を開けさせようとすると強く抵抗する姿が見られることがあります。

この段階では、歯磨きを嫌がること自体よりも、「思いどおりにいかないこと」への反応として拒否が表れている場合があります。そのため、毎回同じように嫌がるとは限らず、日によって差が出るのも特徴です。

「嫌がる=歯磨きができていない」とは限りません

歯磨きを嫌がる姿を見ると、「このままで虫歯にならないだろうか」「今きちんとさせないと後が大変なのでは」と不安になることもあります。しかし、嫌がる行動が見られるからといって、歯磨き習慣が身につかないとは限りません。

乳幼児期の歯磨きは、完璧に磨くことよりも、少しずつ慣れていくことが大切とされています。嫌がりながらでも口を開ける時間があったり、歯ブラシに触れる経験を重ねたりすることが、歯磨き習慣につながっていきます。

歯磨きを嫌がる時期は一時的なことも多い

歯磨きを嫌がる状態は、成長とともに自然に落ち着くケースも多く見られます。発達段階や生活リズムが変わることで、以前ほど強く抵抗しなくなることもあります。大切なのは、「今の様子がずっと続くわけではない」と理解したうえで、無理のない形を探していくことです。

第2章 子供の歯磨きはいつから始める?

子どもの歯磨きについて、「嫌がるなら、もう少し後から始めたほうがよいのでは」と迷う方もいます。しかし、公的機関や学会の資料を見ると、歯磨きは嫌がらなくなってから始めるものではなく、歯が生え始めた段階から、年齢に応じて関わっていくものと位置づけられています。

日本小児歯科学会のQ&Aでは、歯磨きを嫌がる場合でも年齢や発達に応じた関わりが大切であることが示されています。特に乳幼児期は、完璧な清掃よりも、口の中に触れられる経験を積むことが重視されています。

出典:日本小児歯科学会 こどもたちの口と歯の質問箱「1歳半の子どもです。歯みがきをいやがります。いい方法はありますか?」
https://www.jspd.or.jp/question/2years_old/

歯磨きは「慣れ」から

一般的な目安としては、乳歯が生え始める生後6か月頃から、口腔ケアを始めるとされています。ただし、この時期に歯ブラシでしっかり磨く必要があるという意味ではありません。最初はガーゼや綿棒で軽く拭う、歯ブラシを口に入れてみるなど、段階的な関わり方が推奨されています。

はじめから歯磨きを完璧にできているか否かで判断してしまうと、嫌がる行動が強く出た際に慌てふためいてしまいます。初めから完璧にやろうとせず、歯磨きに慣れる過程を大切にして、短時間でも続けることを優先しましょう。

年齢別にみた歯磨き開始の目安

以下は、厚生労働省や日本小児歯科学会の資料をもとに整理した、歯磨き開始の目安です。3歳未満までは「口腔ケアに慣れる」ことが優先されることが分かります。

年齢の目安 口腔ケアの考え方 ポイント
生後6か月頃 乳歯が生え始める時期 ガーゼで拭う、口に触れる練習
1歳頃 歯の本数が増える 歯ブラシに慣れることを優先
2歳頃 自我が強くなる 短時間・無理をしない
3歳頃以降 生活習慣が安定 仕上げ磨きを継続

※目安であり、すべての子に当てはまるわけではありません。

「いつから始めるか」よりも大切な視点

歯磨きは「◯歳から必ず始めなければならない」というものではありません。大切なのは、歯が生えたことをきっかけに、少しずつ口腔ケアを生活の中に取り入れていくことです。嫌がる反応が出た場合でも「今日はここまで」と区切りをつけることで、歯磨きへの抵抗感を残しにくくなります。

また、保護者が力を入れすぎると、その緊張感が子どもに伝わることもあります。歯磨きは医療的には重要ですが、乳幼児期は歯磨きの習慣を身につけるのが最優先です。完璧を目指すより、不完全でも続けやすさを優先しましょう。

第3章 年齢別に考える、歯磨きとの向き合い方

子どもの歯磨きは、「嫌がられないようにすること」や「毎日きちんと磨くこと」を目標にすると、続けること自体が辛くなりがちです。乳幼児期は、年齢や発達に応じて歯磨きとの距離感が変わる時期です。その段階ごとに、無理のない向き合い方を選んでいくことが求められます。

0〜1歳頃:歯磨きは“慣れること”を優先

この時期は、完璧な歯磨きを身につける段階ではありません。歯が生え始めたらガーゼで軽く拭く、歯ブラシを優しく口に入れるなど、口の中に触れられる経験を重ねていきます。嫌がる様子が強いなら無理に続けず、短時間で切り上げても問題ありません。

また、毎日同じ時間に行うことにこだわる必要はなく、ご機嫌のよいタイミングを選ぶことも成功の秘訣です。歯磨きを嫌な習慣として記憶させないことを意識すると、次の段階につながりやすくなります。

1〜2歳頃:嫌がる反応が目立ちやすい

1歳を過ぎる頃から、自分の意思を示す場面が増えてきます。歯磨きの際に口を閉じたり、体をよじったりする行動が見られることもありますが、この反応自体は珍しいものではありません。

歯磨きが思うように進まない日があっても、その日の様子を見ながら臨機応変に対応しましょう。激しく拒絶されたら無理やり歯磨きを続けるよりも、無理のないところで切り上げるようにしましょう。歯ブラシに触れた、口を開けた時間が少しでもあった、といった経験の積み重ねが、後の習慣づくりにつながります。

2〜3歳頃:「自分でやりたい」気持ちが強まる

2歳前後になると、自分でやりたいという気持ちがはっきりしてきます。歯磨きでも、自分で歯ブラシを持ちたがったり、保護者の手を避けたりすることがあります。この時期は、まず子どもが自分で磨く時間を設け、その後に保護者が仕上げを行う形が取り入れやすくなります。

自分で磨く動作は、きれいにできていなくても構いません。自分で歯磨きをする経験を積むことが、歯磨き習慣を身につける第一歩です。

3歳以降:生活の流れに組み込んで習慣化へ

3歳頃になると、生活リズムが少しずつ整い、歯磨きを日常の流れに組み込みやすくなります。ただし、この時期でも一人で十分に磨けるわけではありません。仕上げ磨きは引き続き保護者が行うのが前提です。

歯磨きの時間を長く取るよりも短時間で切り上げるほうが、抵抗感が和らぐこともあります。歯磨きを完璧にするよりも、習慣として続いているかを意識すれば、気持ちに余裕を持ちやすくなります。

成長に応じて、関わり方の見直しを

歯磨きへの向き合い方は、年齢やその時々の様子によって変わっていきます。以前うまくいっていた方法が合わなくなることもありますが、それは成長の過程として自然な変化です。子どもの反応を見ながら、今の段階に合った関わり方に切り替えていくとよいでしょう。

第4章 歯磨きを嫌がるときに、見直したい対応

子どもが歯磨きを嫌がる場面が続くと、「どうにかして磨かなければ」と気持ちが強くなり、対応が硬くなってしまうことがあります。しかし、関わり方によっては、歯磨きそのものへの抵抗感を強めてしまうこともあります。ここでは、歯磨きを嫌がるときに見直しておきたい対応を整理します。

  • 力づくで磨こうとしていないか
     嫌がるたびに無理やり体を押さえたり、口を無理に開けさせたりすると、歯磨きに対する不快な印象が残りやすくなります。激しく嫌がるときは短時間で終える、今日はここまでにする、と区切りをつけましょう。
  • 「きちんと磨けているか」だけを基準にしていないか
     乳幼児期は完璧に磨けているかどうかよりも、歯磨きの時間に慣れることが重視されます。短時間でも歯ブラシに触れた経験や、口を開けた時間を積み重ねることが、歯磨き習慣につながります。
  • 嫌がる理由を一つに決めつけていないか
     歯磨きを嫌がる原因は、眠気や疲れ、空腹など、その日の体調や気分が影響していることもあります。歯磨き自体が原因とは限らないため、時間帯や環境を変えてみると成功するかもしれません。
  • 毎回同じやり方に固執していないか
     以前はうまくいっていた方法でも、成長とともに合わなくなることがあります。体勢を変える、場所を変える、声かけを変えるなどの工夫で反応が変わることもあります。
  • 歯磨きの時間が長すぎないか
     長時間の歯磨きは、子どもにとって負担になりやすいものです。短時間でも毎日続けられる形を優先したほうが歯磨きへの抵抗感を抑えやすくなります。
  • できなかったことを叱っていないか
     歯磨きがうまくいかなかった日に、強く注意したり叱ったりすると、歯磨きの時間そのものを避けるようになることがあります。できないことが目立ちやすいですが、意識して「できたこと」に目を向けて、次につなげましょう。
  • 保護者自身が緊張しすぎていないか
     「磨かなければ」という焦りや不安は、子どもにも伝わりやすいものです。歯磨きは医療的に重要である一方、乳幼児期は習慣づくりの途中段階です。歯磨きの力を入れすぎていないか、確認してみることも必要です。

まとめ

歯磨きを嫌がる時期は、成長とともに変化していくことが多い傾向があります。その時々に合わせて、無理のない方法を選んでいきましょう。

子どもが歯磨きを嫌がるのは特別なことではなく、成長の過程で見られる自然な反応です。歯磨きを始めた時期や関わり方が原因とは限らず、年齢ごとの発達やその日の体調、気分が影響していることも少なくありません。

歯磨きは、歯が生え始めた段階から少しずつ取り入れていくものですが、最初から完璧を目指す必要はありません。嫌がる様子があっても、口に触れられる経験や歯ブラシに慣れる時間を積み重ねていくことが、次の段階につながります。

うまくいかない日が続くと不安になることもありますが、その時々の様子に合わせて関わり方を調整していくとよいでしょう。家庭ごとのペースを大切にしながら、無理のない形で歯磨きを続けていくことが、将来の習慣づくりにつながります。

 

作成日 2026年2月22日

参考資料

乳幼児歯科健康診査・保健指導に関する資料
 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc_keyword?dataId=00tc1207&dataType=1&keyword=乳幼児健康診査

日本小児歯科学会 こどもたちの口と歯の質問箱
 https://www.jspd.or.jp/question/2years_old/

担当した診療所

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