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根管治療の費用相場は?保険と保険外の違い、治療回数の目安を解説

2026.03.24

ファミリー⻭科

根管治療の費用相場は?保険と保険外の違い、治療回数の目安を解説

歯がズキズキと痛み、歯科医院で「神経の治療が必要です」と説明された経験はありませんか。こうした治療は一般的に「根管治療」と呼ばれます。歯の内部にある神経や細菌を取り除き、歯を保存するための重要な治療です。

ただし、いざ治療を受ける段階になると「費用はどれくらいかかるのだろう」「保険で治療できるのか」「何回くらい通院するのだろう」と疑問を感じる方も多いかもしれません。歯科治療の中でも、根管治療は費用や通院回数が分かりにくい分野です。

根管治療には保険診療と保険外診療(自由診療)の両方があり、治療方法や設備によって費用に差が出ることがあります。また、歯の状態や根の数によって治療回数が変わることがあります。
根管治療の費用は、保険診療の場合は数千円程度が目安です。自費診療では5万〜15万円程度になることがあります。なお、実際の費用や通院回数は、歯の種類や治療方法によって変わることがあります。

この記事では、根管治療の費用相場や保険診療と保険外診療の違い、通院回数の目安について整理します。治療を検討している方が、安心して判断できるよう参考になる情報をまとめました。

根管治療の費用と通院回数の目安

項目 目安
保険診療の費用 約2,000〜7,000円(3割負担・根管治療部分)
自費診療の費用 約5万〜20万円
通院回数 2〜5回程度
治療期間 2週間〜1か月程度

※歯の状態や根の数、再治療かどうかによって回数や費用は変わることがあります。

 

監修した先生

奈良 倫之先生

奈良 倫之 先生

医療法人社団 歯友会 理事長
ファミリー歯科 院長

第1章 根管治療とは?歯の神経を残せないときに行う治療

むし歯が進行して歯の奥まで達すると、歯の内部にある神経や血管に炎症が起こることがあります。痛みが強くなると「神経を取る治療が必要です」と説明されることがあります。このときに行われるのが根管治療です。

根管治療は、歯の内部にある細い管(根管)をきれいにし、細菌の感染を取り除く治療です。歯を抜かずに残すために行われる治療のひとつです。歯の内部は外から見えないため、治療の内容が分かりにくいと感じる方も少なくありません。まずは根管治療の基本的な仕組みを整理しておきましょう。

歯の内部には神経と血管がある

歯の中心には「歯髄(しずい)」と呼ばれる組織があります。ここには神経や血管が通っており、歯に栄養を送る役割を担っています。

しかし、むし歯が深く進行すると細菌が歯髄まで入り込み、炎症が起こることがあります。この状態になると強い痛みが出たり、噛んだときに違和感が出ることがあります。炎症が進んだ場合は歯髄を取り除き、根管の内部を消毒する治療が必要になることがあります。

根管治療の基本的な流れ

根管治療は一般的に、次のような流れで行われます。

  • むし歯や古い詰め物を取り除く
  • 歯の内部にある神経や感染した組織を除去する
  • 根管の内部を洗浄して細菌を減らす
  • 消毒薬を入れて感染の再発を防ぐ
  • 根管を薬剤で密閉する

根管の内部は非常に細く複雑な形をしているため、細かい器具を使って少しずつ治療を進めます。状態によっては複数回の通院が必要になることがあります。

根管治療の目的は歯を残すこと

根管治療は、歯の神経を取る治療として知られていますが、本来の目的は歯を抜かずに残すことです。むし歯が進んだ歯でも、根の部分がしっかりしていれば治療によって歯を保存できる可能性があります。

歯を抜いてしまうと、噛み合わせのバランスが変わったり、周囲の歯が動いたりすることがあります。そのため、可能な限り歯を残す治療が選択されることがあります。

治療には時間と手間がかかることがある

根管治療は見た目以上に細かい作業が多い治療です。歯の根の内部を丁寧に清掃し、細菌を減らす必要があるため、治療時間が長くなることがあります。

学術報告では、根管充填までに200分以上の治療時間が必要になるケースもあるとされています。このように治療工程が多いことが、根管治療の通院回数や費用に影響することがあります。

参照:日本歯内療法学会雑誌 歯内療法の現状と新たな提案
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jeajournal/42/1/42_24/_article/-char/ja/

参照:日本歯内療法学会 歯内療法診療ガイドライン
 https://jea-endo.or.jp/materials/pdf/guideline2020.pdf

第2章 根管治療の費用相場(保険診療の場合)

歯科医院で根管治療が必要と説明されたとき、多くの方が最初に気になるのは費用ではないでしょうか。結論から言うと、根管治療の多くは保険診療で受けることができます。そのため、全国どの歯科医院でも大きく費用が変わることはありません。

ただし、歯の種類や治療内容によって費用は異なります。特に奥歯は根の数が多く治療が複雑になるため、前歯より費用が高くなる傾向があります。まずは保険診療で行う場合の大まかな費用の目安を見てみましょう。

根管治療の費用相場(保険診療・3割負担)

歯の種類 根管治療の費用目安(3割負担)
前歯 約2,000〜3,000円
小臼歯 約3,000〜5,000円
大臼歯 約4,000〜7,000円

この費用は、根管の内部を消毒し薬剤を詰めるまでの処置の目安です。実際の診療では、このほかにもいくつかの費用が加わることがあります。

  • 初診料や再診料
  • レントゲン撮影
  • むし歯の除去処置
  • 仮の詰め物
  • 最終的な被せ物

そのため、最終的な治療費は数千円から1万円以上になることもあります。特に被せ物の種類によって費用は大きく変わります。

歯の種類によって費用が変わる理由

根管治療の費用が歯の種類によって変わるのは、歯の構造が異なるためです。前歯は根が1本のことが多く、比較的シンプルな構造をしています。一方、奥歯は根が2本から3本あることが多く、内部の形も複雑です。

根の数が増えると、清掃や消毒の作業も増えるため治療時間が長くなる傾向があります。そのため、奥歯の治療は前歯より費用が高く設定されています。

保険診療の費用は全国共通

保険診療の歯科治療費は、国が定めた診療報酬制度に基づいて決められています。そのため、基本的な処置の費用は全国で大きく変わることはありません。

ただし、治療の進み方や追加の処置によって最終的な費用は多少変わります。歯の状態によっては治療回数が増えることもあるため、治療の見通しについて歯科医師に確認しておくと安心です。

参照:厚生労働省 社会医療診療行為別統計
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/26-19.html

保険診療の根管治療は、比較的費用を抑えながら歯を保存できる治療です。一方で、歯科医院によっては保険外診療(自由診療)の根管治療を行っていることもあります。

第3章 保険外の根管治療の費用相場

根管治療は多くの場合、保険診療で受けることができます。ただし歯科医院によっては、保険外診療の根管治療を行っていることもあります。これは主に、より精密な設備や治療方法を使用する治療です。

保険診療では国が定めた治療方法や材料を基本に行いますが、自費診療では歯科医院が治療内容を自由に設定できます。そのため、使用する器具や設備、治療時間のかけ方などが保険診療と異なることがあります。

自費診療の根管治療では、次のような設備や技術が使われることがあります。

  • マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)
  • ラバーダム防湿
  • ニッケルチタンファイル
  • 歯科用CTによる診断

これらは根管の内部をより詳しく確認しながら治療を進めるための設備です。根管は非常に細く複雑な形をしているため、視野を拡大して治療を行うことで細かな部分まで確認しやすくなるとされています。

その一方で、設備や治療時間が増えるため費用は保険診療より高くなる傾向があります。歯科医院によって価格設定は異なりますが、一般的な費用相場は次の通りです。

自費診療の根管治療の費用相場

歯の種類 費用の目安
前歯 約5万〜8万円
小臼歯 約7万〜10万円
大臼歯 約8万〜15万円

奥歯は根の数が多く構造が複雑なため、費用が高くなることがあります。また、再根管治療の場合は難易度が上がるため、費用がさらに高くなることもあります。

自費診療で費用差が生まれる理由

自費の根管治療では、歯科医院ごとに費用設定が異なります。これは使用する設備や治療方針、治療時間の違いが関係しています。

例えば、マイクロスコープを使用する場合は、歯の内部を拡大して確認しながら細かい処置を行うことができます。また、ラバーダム防湿という方法を用いると、唾液による細菌の混入を防ぎながら治療を進めることができます。

こうした設備や処置は、より精密な治療を行うために導入されることがあります。そのため、治療時間や設備費用が加わり、保険診療より費用が高くなる傾向があります。

根管治療は時間のかかる治療

根管治療は見た目以上に細かい作業が多く、治療に時間がかかることがあります。歯の内部は非常に細く、複雑に分かれているため、丁寧に清掃と消毒を行う必要があります。根管を丁寧に清掃・消毒しながら進めるため、治療工程が増え、費用や通院回数に影響することがあります。

参照:日本歯内療法学会雑誌 歯内療法の現状と新たな提案
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jeajournal/42/1/42_24/_article/-char/ja/

第4章 根管治療は何回通院する?治療回数の目安

根管治療について説明を受けたとき、「何回くらい通院する必要があるのだろう」と気になる方は多いかもしれません。根管治療は一度の診療で終わることは少なく、複数回に分けて治療することが一般的です。

歯の内部に入り込んだ細菌を減らすためには、根管の中を丁寧に清掃し、消毒を繰り返す必要があります。そのため、歯の状態や感染の程度によって治療回数は変わることがあります。

まずは、一般的な通院回数の目安を整理してみましょう。

根管治療の通院回数の目安

治療内容 通院回数の目安
神経を取る治療(抜髄) 2〜3回
感染根管治療 3〜5回
再根管治療 4〜6回

この回数はあくまで目安です。実際の通院回数は歯の状態や治療の進み方によって変わることがあります。

歯の根の数によって治療回数が変わる

歯の構造は、歯の種類によって異なります。前歯は根が1本のことが多いですが、奥歯は2本から3本の根を持つことがあります。根の数が多いほど内部の構造が複雑になるため、治療に時間がかかる傾向があります。

そのため、前歯よりも奥歯の根管治療のほうが通院回数は多くなることがあります。また、根の形が複雑な場合は、消毒や清掃に時間がかかることもあります。

感染の程度によって治療期間が変わる

むし歯が進行して感染が広がっている場合は、根管の内部を十分に消毒する必要があります。消毒が不十分なまま治療を終えると、再び炎症が起こることがあります。

そのため、歯の状態によっては消毒を繰り返しながら治療を進めることがあります。このような場合は通院回数が増えることもあります。

再根管治療は難易度が高いことがある

過去に根管治療を受けた歯が再び炎症を起こすことがあります。この場合は、以前の薬剤を取り除き、再度根管の清掃と消毒を行う必要があります。

再根管治療は内部の構造が見えにくくなることがあり、治療が難しくなる場合があります。そのため、通常の根管治療よりも通院回数が増えることがあります。

第5章 根管治療の費用に差が出る理由

根管治療の費用は、歯科医院によって多少の違いがあります。保険診療の場合は基本的な診療報酬が決まっていますが、歯の状態や治療内容によって最終的な費用が変わることがあります。また、自費診療では設備や治療方針によって費用差が生じることがあります。

ここでは、根管治療の費用差につながりやすい主な理由を解説します。

歯の種類と根の数

歯の種類によって、根の数や内部の構造が異なります。前歯は根が1本のことが多く比較的シンプルな構造ですが、奥歯は2本から3本の根を持つことがあり、内部の形も複雑です。根の数が増えるほど清掃や消毒の作業が増えるため、治療時間が長くなることがあります。奥歯の治療費が前歯より高くなることが多いのは、このような理由があります。

感染の広がり方

むし歯が神経まで進行すると、根管の内部に細菌が入り込むことがあります。感染が広がっている場合は、根管の内部を十分に清掃し消毒する必要があります。消毒を繰り返しながら治療を進めるため、通院回数が増えることがあります。診察回数が増えることで費用が増える場合があります。

初めての治療か、再根管治療か

すでに根管治療を受けた歯が再び炎症を起こすことがあります。この場合は、以前に詰めた薬剤を取り除き、再度根管を清掃する必要があります。再根管治療は内部の構造が見えにくくなることがあり、治療の難易度が高くなることがあります。そのため、通常の根管治療より時間がかかることがあります。

使用する設備や器具

歯科医院によっては、歯科用CTやマイクロスコープなどの設備を使って診断や治療を行うことがあります。これらの設備は歯の内部をより詳しく確認するために使われることがあります。設備や治療環境によって治療方法が変わることがあり、それが費用差につながる場合があります。

被せ物の種類

根管治療の後には、歯を補強するために被せ物を装着することが多くあります。被せ物には保険診療で作るものと、自費診療のものがあります。材料の種類や見た目、強度の違いによって費用が変わることがあります。そのため、根管治療全体の費用は被せ物の種類によっても変わることがあります。

被せ物 費用目安
保険クラウン 約5,000〜10,000円
セラミック 約8万〜15万円

このように、根管治療の費用は単純に治療そのものの料金だけで決まるわけではありません。歯の状態や治療方法、使用する設備など、いくつかの要因が重なって費用が決まります。治療内容について疑問がある場合は、事前に歯科医院で説明を受けておくと安心です。

第6章 根管治療でよくある質問(FAQ)

根管治療について説明を受けたとき、費用や回数だけでなく「痛みはあるのか」「治療はどれくらい続くのか」など、さまざまな疑問を感じる方も多いようです。ここでは、歯科医院でよく相談される質問をいくつか紹介します。

Q.根管治療は1回で終わりますか?

A.根管治療は1回の診療で終わることは少なく、通常は複数回に分けて行われます。歯の内部に入り込んだ細菌を減らすため、根管の清掃や消毒を繰り返しながら治療を進める必要があるためです。歯の状態によって差はありますが、一般的には25回程度の通院になることが多いとされています。

Q.根管治療は痛い治療ですか?

A.治療は局所麻酔を行ってから処置を進めるため、処置中に強い痛みを感じることは少ないとされています。ただし、炎症が強い場合や治療後には、数日ほど軽い痛みや違和感が出ることがあります。多くの場合は時間とともに落ち着くことが多いですが、痛みが続く場合は歯科医院に相談すると安心です。

Q.根管治療をしないとどうなりますか?

A.歯の神経まで細菌感染が広がっている場合、治療を行わないと炎症が進行することがあります。歯の根の先に膿がたまったり、歯ぐきが腫れたりすることもあります。症状が進むと歯を残すことが難しくなる場合もあるため、早めに治療を検討することが大切です。

Q.根管治療の成功率はどのくらいですか?

A.根管治療の成功率は歯の状態や感染の程度によって異なりますが、学術研究では比較的高い成功率が報告されています。日本歯内療法学会の報告では、初めて行う根管治療(抜髄)の成功率は85、感染した歯の治療では80%程度とされています。一方、過去に治療した歯をやり直す「再根管治療」の場合は難易度が高くなり、56%程度まで下がることがあると報告されています。

歯の状態や治療方法によって結果は変わるため、詳しい見通しについては歯科医師と相談して確認しておくと安心です。

参照:日本歯内療法学会雑誌 歯内療法の現状と新たな提案
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jeajournal/42/1/42_24/_article/-char/ja/

まとめ

根管治療は、歯の神経に感染が起こったときに歯を保存するために行う重要な治療です。治療には複数回の通院が必要になることが多く、歯の状態によって費用や回数が変わることがあります。

保険診療の場合、根管治療そのものの費用は数千円程度が目安です。一方、保険外診療では設備や治療方法の違いにより数万円以上になることがあります。

費用だけで治療を判断するのではなく、歯の状態や治療方法について歯科医師と相談しながら選ぶことが大切です。治療内容や通院回数の目安を確認しておくと、安心して治療を進めやすくなります。

根管治療は歯を残すための大切な治療です。気になる症状がある場合は、早めに歯科医院で相談してみましょう。

記事作成日 2026年3月20日

 

参考文献

日本歯内療法学会 歯内療法診療ガイドライン
 https://jea-endo.or.jp/materials/pdf/guideline2020.pdf

厚生労働省 社会医療診療行為別統計
 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/26-19.html

日本歯内療法学会雑誌 歯内療法の現状と新たな提案(J-STAGE)
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jeajournal/42/1/42_24/_article/-char/ja/

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