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気持ち悪い入れ歯を我慢しないで!原因別の改善方法を解説

2025.10.22

ファミリー⻭科

気持ち悪い入れ歯を我慢しないで!原因別の改善方法を解説

第1章 入れ歯の気持ち悪さは改善できます

入れ歯を入れたときに「なんだか気持ち悪い」「吐き気がしてしまう」と感じたことはありませんか。
痛みほど強い刺激ではないものの、気持ち悪さや違和感、ムズムズするような不快感が続くことがあります。不愉快さに耐えられず、装着するのが嫌になってしまう方も少なくありません。

実は「入れ歯が気持ち悪い」と感じるのは、特別なことではありません。
多くの人が装着初期に通る自然な過程で、お口や脳が新しい入れ歯に慣れていく途中で起こる現象です。
とはいえ、入れ歯の気持ち悪さが長く続くと日常生活に支障をきたします。できるだけ早く慣れるためには、適切な対処と工夫が必要です。

入れ歯を入れるときの「気持ち悪さ」は、主に物理的な刺激によるものと、心理的な抵抗感が原因です。
上あごの奥に触れる部分で吐き気を感じる人もいれば、口の中がいっぱいになったような息苦しさや、味覚の変化を不快に感じる人もいます。
中には「入れ歯をつけている」という意識そのものがストレスになるケースもあります。

この記事では、そうした不快感の正体をわかりやすくひもときながら、少しでも早く快適に使いこなすためのポイントを紹介します。
入れ歯に対する「気持ち悪い」という印象をやわらげ、自然に付き合っていくための第一歩を、一緒に見つけていきましょう。

監修した先生

奈良 倫之先生

奈良 倫之 先生

医療法人社団 歯友会 理事長
ファミリー歯科 院長

第2章 入れ歯が「気持ち悪い」と感じる主な原因

入れ歯を装着したときに感じる「気持ち悪さ」は、人によって原因が異なります。吐き気をもよおすような違和感、息苦しさや喋りづらさなど、感じ方は千差万別です。
こうした不快感は入れ歯そのものが悪いわけではなく、お口の構造や感覚の変化、そして心理的な影響が複雑に絡み合って生じています。

まず、最も多いのが「異物感」です。
上あごを覆う入れ歯の床(しょう)部分が大きく、口の中の空間が狭くなったように感じることで、違和感が強く出ます。
特に上あご全体を覆う総入れ歯は、舌や口蓋(こうがい・お口の中の天井にあたる場所)に触れる面積が広く作られています。舌や口蓋が入れ歯で覆われると、喋ったり飲み込んだりするたびに強い異物感を覚える方が多いのです。

次に挙げられるのが「絞扼反射(こうやくはんしゃ)」です。
上あごの奥や喉の近くに入れ歯が当たると、人によってはオエッと吐き気がする反射が起こります。
これは体が異物を排除しようとする自然な反応ですが、感受性の高い人ほど強く現れます。
また、入れ歯の縁がわずかに長すぎたり、形が合っていないケースでも絞扼反射を誘発することがあります。

さらに、「唾液の量の変化」も不快感を助長します。
入れ歯を入れると、脳が「何か食べ物が入ってきた」と勘違いし、一時的に唾液の分泌が増えることがあります。
逆に、長く使っているうちに唾液が減り、口の中が乾燥して粘つきを感じる場合もあります。
このような変化は時間とともに落ち着きますが、最初のうちは「気持ち悪い」と感じやすい原因になります。

入れ歯の影響で、味覚や温度の感じ方が変わることもあります。
入れ歯の床が上あごを覆うと食べ物の温度が伝わりにくくなります。すると「味がしない」「冷たさや温かさを感じにくい」といった違和感を覚える方もいます。
また、食事の際に噛む力が均等に伝わらないことで舌の使い方が変わり、口の中の感覚が鈍くなったように感じる場合もあります。

そして見逃せないのが「心理的な抵抗感」です。
入れ歯に対して「年を取った証のようで嫌だ」「人に見られたくない」と感じると、その意識が緊張やストレスを生み、実際の不快感を増幅させます。
人間の脳は「不快だ」と感じた情報を過敏に捉えるため、気持ちの面も体の反応に大きく関わっているのです。

このように、入れ歯が「気持ち悪い」と感じる原因は一つではなく、物理的な刺激と心理的な要因が複雑に関係しています。
それぞれの理由を理解することで、自分に合った対処法を見つけやすくなります

次の章では、入れ歯の種類ごとに違和感の出やすさを比較し、どのタイプが慣れやすいかを詳しく見ていきましょう。

第3章 入れ歯の種類と「違和感の出やすさ」

入れ歯と一口にいっても、その種類によって「気持ち悪さ」や「慣れにくさ」の感じ方は大きく異なります。
構造の違い、使用している素材、口の中で覆う面積などは、装着時の快適さを左右します。
ここでは代表的な入れ歯の種類と、それぞれに見られる特徴を解説します。

まず最も一般的なのが「総入れ歯」です。
歯をすべて失った場合に使われるタイプで、上あごや下あごの粘膜全体に密着させて支えます。
特に上あごの総入れ歯は、口蓋(こうがい)と呼ばれる上あごの天井部分を広く覆うため、舌の動きや呼吸の感覚に影響しやすい傾向があります。装着したばかりの頃に「口の中がいっぱいになる感じ」「喋るたびに違和感がある」と感じる人が多いのが特徴です。
この広い床が安定性を保つ反面、脳が新しい刺激として受け止めるため、慣れるまでに時間がかかる傾向があります。

一方、まだ一部の歯が残っている場合に使われるのが「部分入れ歯」です。
部分入れ歯は、残っている歯に金属のバネ(クラスプ)を引っかけて固定します。
総入れ歯に比べると床の面積が小さいため、異物感はやや軽いものの、金属のバネが頬や舌に当たる感覚を不快に感じる人もいます。
また、クラスプが見える位置にあると「見た目が気になる」と感じる方もおられ、心理的な違和感に繋がることもあります。

最近人気が高まっているのが「ノンクラスプデンチャー」と呼ばれるタイプです。
金属のバネを使わず、特殊な樹脂で歯ぐきの色になじむように作られた入れ歯で、見た目が自然な点が特徴です。
弾力のある素材を使用しているため装着感がやわらかく、金属アレルギーの心配もありません。
ただし、素材が柔らかいために長期間使うと変形しやすい弱点があります。少しずつフィット感が変わって違和感を覚えることがあります。

さらに、装着感の楽さを求める方には「金属床義歯」という選択肢もあります。
義歯床の一部に金属(チタンやコバルトクロムなど)を使用し、非常に薄く仕上げられるのが特徴です。強度も強く設計の自由度が高いので、苦しくなりにくいデザインが可能です。
金属床義歯は精度も高く、動きにくいため違和感が少ない傾向があります。

またレジン(プラスチック)製の入れ歯よりも熱が伝わりやすく、食べ物の温度を感じやすいので、食事中の自然な感覚を保ちやすいという利点があります。自費診療となり、費用の面では注意が必要です。

これらの特徴を整理すると、次のようになります。

【入れ歯の種類別 違和感の出やすさ・特徴まとめ】

種類 特徴 違和感の出やすさ 慣れやすさの傾向と注意点
レジンの総入れ歯 上あご全体を覆うため安定性は高いが異物感が強い 高い 慣れるまで時間がかかる
レジンの部分入れ歯 バネで固定。床が小さく軽いが金属の感触がある 中程度 慣れやすいが見た目に抵抗を感じる場合あり
ノンメタルクラスプデンチャー 金属不使用で見た目が自然。柔らかく軽い 低い 比較的慣れやすいが経年で変形しやすい
金属床義歯 薄く精密で熱を伝えやすい。高い装着感 低い 非常に慣れやすく快適だが高価

このように、入れ歯の種類によって「気持ち悪さ」の感じ方は大きく異なります。
特に上あごを広く覆うタイプは異物感が強く出やすい傾向があります。この問題は素材や設計を工夫することで快適さを高めることが可能です。
大切なのは、痛みや不快感を我慢することではなく、自分の口の状態や感覚に合った入れ歯を選ぶことです。

次の章では、実際に入れ歯が「気持ち悪い」と感じたときにできるセルフケアの方法や、慣れるための練習法を詳しく紹介していきます。

第4章 気持ち悪いときのセルフケアと慣らし方

入れ歯を装着したときに気持ち悪いと感じるのは、「体がまだ新しい感覚に慣れていない」ことが主な原因です。
口の中には三叉神経という神経網が張り巡らされています。そのため砂など小さな異物も感知できるほど、人間の口の中は敏感です。0.1mm以下のわずかな変異でも脳が違和感として感じ取ります。
しかし、時間の経過とともに体が順応し、入れ歯を自分の一部として受け入れるようになります。
ここでは、慣れるまでの期間を短くし、できるだけ快適に使い続けるためのセルフケアの方法を紹介します。

まず大切なのは、装着時間を少しずつ延ばしていくことです。
入れ歯を入れた初日は、短い時間だけ装着して様子を見ましょう。
いきなり一日中付けてしまうと、粘膜がこすれて痛みが出たり、吐き気を強めてしまうことがあります。
最初のうちは一、二時間程度を目安にし、慣れてきたら半日、そして一日と、徐々に時間を延ばしていくと良いでしょう。
装着時間を段階的に増やすことで、脳と筋肉が少しずつ新しい刺激を受け入れられるようになります。

次におすすめなのが発音練習です。
入れ歯を入れると舌の位置が変わり、「サ」「タ」「カ」行の発音が難しくなることがあります。
新聞や本を声に出して読む練習をすると、舌の動きがスムーズになり、入れ歯の位置にも自然と慣れていきます。
毎日5分から10分程度で構いません。継続することで「喋ると気持ち悪い」と感じる感覚が軽減されます。

口腔体操も効果的です。
舌を上下左右にゆっくり動かしたり、頬を膨らませたりすぼめたりする運動を繰り返すと、口の周りの筋肉が柔らかくなり、入れ歯が動いたときの違和感が減ります。
特に食前に軽く行うと、食事中の不快感が和らぐことがあります。

吐き気(絞扼反射)が強く出てしまう場合は、装着時の姿勢を工夫してみましょう。
うつむき気味に鏡を見ながらゆっくり装着すると、入れ歯が上あごの奥に当たりにくくなります。
また、装着後に深呼吸をして気持ちを落ち着かせることも大切です。
もし絞扼が強く、どうしても装着が難しい場合は、歯科医院で床の形状を調整してもらいましょう。

食事のときは、柔らかい食材から始めましょう。
茶碗蒸し、煮物、卵料理など、噛まずに食べられるものを選び、徐々に普通の硬さの食材へ移行します。
一口を小さくし、左右の奥歯を均等に使って噛むようにすると、入れ歯が安定しやすくなります。
また、温かい食事を取ることで味覚を刺激し、入れ歯をつけたままでも食事の楽しさを取り戻すことができます。

入れ歯の内側や縁が当たって痛いときは、我慢せず早めに受診しましょう。
小さな段差や厚みが不快感の原因になっていることもあり、ほんの少し削るだけで劇的に改善することがあります。
また、入れ歯安定剤を使う場合は、医師の指導のもとで適量を守るようにしましょう。
安定剤の使いすぎはかえって不快感や噛み合わせのズレを引き起こすことがあります。

慣れるためには、入れ歯を「異物」ではなく「自分の身体の一部」として意識することが重要です。
最初は違和感が強くても、毎日少しずつ練習しながら前向きに付き合うことで、確実に体は順応していきます。
焦らず、自分のペースで慣らしていくことが、最も確実な改善への道です。

次の章では、歯科医院で行える具体的な調整方法や、不快感を軽減するための専門的な対処について解説します。

第5章 歯科医院でできる調整と改善策

入れ歯を入れると気持ち悪くなる原因の多くは、実はほんのわずかなズレや厚み、形状の違いから生じています。
自分では「慣れるしかない」と思ってしまいがちですが、歯科医院での調整によって不快感を大きく改善できることがほとんどです。
ここでは、歯科医師が行う主な調整方法と、それぞれがどのような効果をもたらすのかを紹介します。

まず行われるのが「床(しょう)の調整」です。
入れ歯の床は歯ぐきに密着して支える部分で、とても繊細な場所です。この面がわずかに合っていないだけで、違和感や吐き気の原因になります。
特に上あごの奥にある床が長すぎると、喉の近くに触れて嘔吐反射を起こしやすくなります
それが原因の場合は、歯科医師が少しずつ削って長さや角度を整えることで、違和感を軽減できます。
削る量はほんの数ミリ単位ですが、それだけで驚くほど装着感が変わることがあります。

次に行われるのが「咬み合わせの調整」です。
噛んだときの上下のバランスがずれていると、入れ歯が片側に動きやすくなり、粘膜や筋肉が不自然に引っ張られて気持ち悪くなることがあります。
また、上下の歯が高すぎる位置で当たると、口が閉じにくくなり、あごの筋肉が緊張して疲れを感じる場合もあります。
歯科医師は咬合紙や専用の計測器を使って噛み合わせを確認し、人工歯の高さや位置を微調整します。

入れ歯が動く、または吸い付きが強すぎて外れにくい場合は、「陰圧(いんあつ)」の調整を行うこともあります。
上あごの入れ歯は、空気を抜いて吸盤のように密着させることで安定していますが、この陰圧が強すぎると装着や取り外しの際に不快感が出ることがあります。
逆に弱すぎると入れ歯が外れやすくなり、話したり食べたりするたびにズレを感じます。
陰圧のバランスを整えることで、装着感が大きく改善するケースも少なくありません。

素材や厚みの調整も、不快感の軽減に役立ちます。
たとえば、プラスチック製(レジン床)の入れ歯は強度を保つために厚みが出やすく、口の中が狭く感じる原因になります。
これに対して、金属床義歯やチタン床義歯などは非常に薄く作れるため、装着時の異物感が少なくなります。
既存の入れ歯が厚くて気持ち悪い場合は、これらの素材を使って作り直すことで改善することもあります。

また、入れ歯の形状だけでなく、粘膜や筋肉の状態を整えることも大切です。
長く合わない入れ歯を使っていると、歯ぐきが痩せてしまい、正しい位置で支えられなくなることがあります。
この場合、「リライニング」という方法で入れ歯の内面を新しい材料で裏打ちし、今の歯ぐきの形に合わせてフィットさせると快適になります。

さらに、どうしても慣れにくい方には、より軽くて自然な素材を使った自費診療の入れ歯が選択肢になります。
例えば、チタン床義歯は薄くて軽く、熱伝導も良いため、食事中の温度を自然に感じやすくなります。
また、ノンクラスプデンチャーのように金属を使わない柔らかい素材を選ぶことで、装着感がやさしく、心理的な抵抗も少なくなります。

大切なのは、「気持ち悪い」と感じる原因を我慢しないことです。
少しの違和感でも歯科医師が原因を見つけて調整すれば、格段に快適になることがあります。
もし「どうせ慣れない」「もう諦めた」と感じている場合でも諦めるのは良くありません。何度か調整を重ねることで自分の体に合った入れ歯に近づけることができます。

入れ歯は時間とともにお口の形に合わせて育てていくものです。
歯科医院で定期的な調整を重ねながら、少しずつ「自分の歯」として馴染ませていくことで、やがて気持ち悪さは自然と薄れていくでしょう。

次の章では、こうした調整後に訪れる「慣れるまでの過程」と、心理的なストレスへの向き合い方について詳しく見ていきます。

【入れ歯調整の種類と効果】

調整の種類 目的 方法 効果・改善できる不快感
床(しょう)の調整 入れ歯の厚みや長さを整えて、粘膜や喉への刺激を防ぐ 床の長さ・角度をミリ単位で削り、喉や舌への接触を減らす 吐き気や異物感の軽減、装着感の改善
咬み合わせの調整 上下の歯の高さ・バランスを整える 咬合紙や測定器を使って噛み合わせを確認し、人工歯を微調整 口の疲れ、顎の緊張、ズレによる気持ち悪さの改善
陰圧(いんあつ)の調整 吸着の強さを調整して、動きや外れの問題を解消 上顎の吸着バランスを調整し、吸い付きすぎ・外れやすさを改善 装着時の不快感、発音・食事中の違和感の軽減
素材・厚みの調整 入れ歯の重さや厚みによる圧迫感を減らす レジン床から金属床・チタン床などへ変更 口内の狭さ・圧迫感・異物感の軽減、自然な感覚へ改善
リライニング 合わなくなった内面を修正し、歯ぐきに密着させる 入れ歯の裏側に新しい材料を追加して形を調整 動き・ズレ・痛みの改善、フィット感の回復
自費義歯への変更 軽さ・薄さ・見た目の自然さを重視した改良 チタン床義歯やノンクラスプデンチャーなどを選択 違和感や心理的抵抗の軽減、装着感の向上

 

第6章 慣れるまでの過程と心理面のケア

入れ歯をつけた直後は、多くの人が「気持ち悪い」「違和感が強い」「自分の口じゃないみたい」と感じます。それは決して異常なことではありません。
口の中はとても繊細です。舌や頬、喉の神経が新しい刺激に敏感に反応しているだけです。
入れ歯を装着したときの「気持ち悪さ」は多くの場合、時間の経過とともに軽減していきます。
一般的に、入れ歯に慣れるまでには次のような段階をたどることが多いです。

1週間以内:強い違和感と不安の時期

入れ歯をつけた初期は、舌や頬が入れ歯にぶつかる感覚が強く、唾液の量が増えることもあります。
口の中の異物を排除しようとする生理的な反応であり、自然な過程です。
この時期は無理をせず、少しずつ装着時間を延ばすことが大切です。
無理に長時間装着すると、痛みや吐き気が強くなることがあるため、短時間でも「毎日つける」ことを優先しましょう。

2〜3週間:慣れ始めの時期

入れ歯が口の動きに少しずつ馴染み、発音や咀嚼が安定してきます。
まだ「喋ると気持ち悪い」「食事中に違和感がある」と感じることがありますが、筋肉や舌が新しい形を覚え始めている証拠です。
この段階では、口腔体操や発音練習を継続し、口の動きをスムーズにしていくことが大切です。
少しずつ長い時間装着できるようになってくると、入れ歯がお口に馴染んでいきます。

1〜2か月:安定期

多くの人がこの時期になると、入れ歯を「自分の一部」として受け入れられるようになります。
食事の楽しさが戻り、発音もしやすくなるでしょう。
ただし、ここで油断して清掃やメンテナンスを怠ると、再び不快感が戻ることもあります。
定期的な調整を続けることで、快適な状態を長く維持できます。

心理面のケアも大切に

入れ歯に慣れる過程では、肉体的な違和感だけでなく、心理的な負担も大きいものです。
「年を取った気がする」「人前で笑うのが恥ずかしい」といった気持ちを抱く方も少なくありません。
しかし、入れ歯は単なる人工物ではなく、健康な生活を支える「新しい歯」です。
見た目も自然で軽い素材のものが増え、周囲に気づかれにくいタイプも多くあります。
また、入れ歯を通じて「もう一度しっかり食べられる」「会話を楽しめる」ことは、心の活力にもつながります。
不安な気持ちが強い場合は、歯科医師や歯科衛生士に遠慮なく相談しましょう。

慣れるための心構え

入れ歯を使いこなすために必要なのは、「焦らず、諦めない」という姿勢です。
入れ歯は人工物です。人体でも特に神経が集中するお口に入れて使うものです。どれだけ完成度が高い入れ歯でも、一晩で慣れるものではありません。
最初の1か月は「リハビリ期間」と考え、少しずつ違和感に体を馴染ませていくつもりで取り組みましょう。
日々の小さな変化を前向きに感じることで、ストレスも和らぎます。

入れ歯は身体的な装置だけでなく、生活の質を支える大切なパートナーです。
焦らず、自分のペースで付き合うことが、快適な生活を取り戻していきましょう。

第7章 まとめ(違和感との向き合い方と受診の目安)

入れ歯をつけたときに「気持ち悪い」と感じるのは、多くの方が通るごく自然な反応です。
初めて装着したときは、口の中に異物が入ったような感覚や、喉の奥の不快感、発音のしづらさを強く感じることがあります。
しかし、それは決して失敗ではなく、「体が新しい環境に順応しようとしている証拠」です。

入れ歯の違和感は、時間の経過と適切な調整によって少しずつ軽減していきます。
まずは、自分のペースで装着時間を増やし、口の筋肉や舌を動かす練習を続けてみてください。
発音練習や口腔体操を取り入れることで、慣れるスピードが早まり、自然な感覚に戻っていきます。

また、セルフケアだけで無理をせず、歯科医院での定期的な調整を受けることも大切です。
「痛い」「吐き気がある」「装着していると疲れる」などの不快感が長く続く場合は、自己判断せず早めに相談しましょう。
これらの不快感は入れ歯のわずかなズレや形状の違いが原因となっていることが多く、すぐに対処ができます。数ミリ単位の調整で驚くほど快適になることがあります。

付け心地は良くても見た目が悪いなど、心理的な抵抗を感じる方も、遠慮せず歯科医師に気持ちを伝えてください。
入れ歯治療は技術だけでなく、患者さんの感覚や生活リズムを重視して進める医療です。
「気持ち悪い」という感覚そのものが、より良いフィット感を得るための大切な手がかりになります。

入れ歯は、失った歯の機能を補うだけでなく、「もう一度笑顔で食べる」「人と話す喜びを取り戻す」ための道具です。
最初は不安や違和感があっても、焦らず少しずつ慣らしていけば、必ず自分に合った形に近づいていきます。
気持ち悪さと上手に付き合いながら、自分のペースで快適な生活を取り戻していきましょう。

担当した診療所

ファミリー歯科

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