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インプラントとブリッジはどっちがいい?治療法の違いと選び方を解説

2026.02.28

インプラント

インプラントとブリッジはどっちがいい?治療法の違いと選び方を解説

歯を失ったとき、「インプラントとブリッジ、どっちがいいのだろう」と迷う方は少なくありません。どちらも失った歯を補う治療法ですが、仕組みや歯への負担のかかり方は大きく異なります。

インプラントは、顎の骨に人工の歯の根を埋め込み、その上に歯を作る方法です。周りの歯を削らずに済む点が利点です。一方、ブリッジは両隣の歯を削って支えにし、橋をかけるように人工歯を固定します。比較的短期間で治療が終わることが多い方法です。

厚生労働省の「歯科インプラント治療のためのQ&A」では、インプラントは適切な診査と定期的なメンテナンスを続けることで、長期間機能する例が多いと紹介されています。(施術後10~15年後で90%前後)ただし、全身の病気や歯周病の状態によっては慎重な判断が必要です。

治療法を選ぶときは、「長持ちするかどうか」だけでなく、「自分の歯や体の状態に合っているか」を考えることが大切です。まずはそれぞれの違いを知ってから判断しましょう。

参照:厚生労働省 「歯科インプラント治療のための Q&A」
 https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-02.pdf

 

監修した先生

奈良 倫之先生

奈良 倫之 先生

医療法人社団 歯友会 理事長
ファミリー歯科 院長

第1章 インプラントとブリッジはどう違う?治療の仕組みと特徴

インプラントとブリッジは仕組みも、治療法も大きく異なります。どのように違うのかを知ることで、選択のイメージが沸きやすくなります。

インプラントってどんな治療?

インプラントは、失った歯の代わりにあごの骨の中に人工の歯の根を入れ、その上に人工の歯を取り付ける治療です。骨に固定されるので、しっかり噛めることが大きな特徴です。周りの健康な歯を削る必要がなく、単独で機能する点がメリットとしてよく挙げられます。一方、インプラントで埋め込んだ人工歯根はインプラント周囲炎のリスクがあり、丁寧なケアを続ける必要があります。
 厚生労働省の「歯科インプラント治療のためのQ&A」でも、インプラントは適切な診査・診断を行ったうえで治療を進め、治療後に定期的な検診やお手入れを続けることが大切だとされています。

参照:歯科インプラント治療のためのQ&A 厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」
 https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-02.pdf

ブリッジってどんな治療?

一方でブリッジは、失った歯の両隣の健康な歯を削って橋のように人工歯を固定する治療です。両側の歯が支えになるので、固定式で噛む力が回復しやすいという特徴があります。保険が使える素材もあり、比較的短い期間で治療が終わる点も患者さんには好評です。

ただし、健康な歯を削る必要があるため、削った歯の負担が増える点はデメリットになります。支えとなる歯に将来的なリスクが生じる可能性がある点も、理解しておきたいポイントです。

それぞれのメリット・デメリット

インプラントもブリッジも、噛む機能を回復する治療ですが、仕組みや体への負担、耐用年数も異なります。インプラントはあごの骨に埋め込むため高い安定性が特徴ですが、外科手術が必要です。自費診療のため高額になるのも特徴です。ブリッジは比較的短期間・保険診療で対応できるケースもありますが、周囲の歯への影響を考える必要があります。

厚生労働省の資料には、インプラント治療の注意点や診査の重要性が示されているように、治療法を選ぶときは自分の口の状態や生活背景を含めて総合的に考えることが大切です。同じ「失った歯を補う」治療でも、仕組みや負担が違います。まずは違いを知り、検査結果をもとに判断していくことが現実的です。

第2章 インプラントとブリッジの違いを比較

失った歯を補う治療法として代表的な「インプラント」と「ブリッジ」は、仕組みや体への負担、費用・治療期間などで大きく異なります。ここでは双方の違いを整理し、治療法選びに役立つポイントを具体例で比較します。

厚生労働省の「歯科インプラント治療のための Q&A」では、インプラント治療における診査・診断の重要性や、合併症・全身状態を含めた検討の必要性が示されています。治療前後の診査や定期的なチェックを行うことが、どちらの治療でも長期的に安定させるための共通した視点です。

参照:厚生労働省「歯科インプラント治療のための Q&A」
 https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-02.pdf

治療法の違い

まずは、インプラントとブリッジの主な違いを表で整理します。

インプラントとブリッジの違い

比較項目 インプラント ブリッジ
構造 顎骨に人工の根を埋め込み人工歯を装着 両隣の歯を支えにして人工歯を橋のように固定する
健康な歯への影響 ほぼなし 支えとなる歯を削る必要あり
外科処置 必須(骨への埋入) なし
治療期間 数か月 数週間〜1か月程度
保険適用 原則自費 条件により保険適用あり
取り外し 不要 不要
メンテナンス 定期検診と清掃 定期検診と清掃

インプラントは周囲の歯への影響が少ないが外科処置が必要、ブリッジは身体的・金銭的負担が少ない代わりに健康な歯を削るという違いがあります。どちらにも日常的なケアや定期的な検診が欠かせません。

噛む力と安定性の違い

インプラントは骨と結合するため、自分の歯に近い噛む力を発揮しやすいという特徴があります。しかし手術が必要なので身体的負荷が高く、安定するまで数か月以上かかることもあります。一方、ブリッジは両隣の歯を支えにするため、噛む力がやや分散しますが、短期間で機能を回復できる点が強みです。

費用面と治療期間の考え方

費用面では、保険適用が可能なブリッジの方が低価格で抑えられます。ただし、インプラントは長期的に見ると周囲の歯を削らないメリットが将来的な再治療のリスクを下げる場合もあります。治療期間はインプラントの方が長くなりますが、埋め込み手術で骨とインプラントの結合が安定するまで待つ工程が欠かせないためです。

第3章 費用と治療期間の違い

インプラントとブリッジは、治療費用・治療期間・保険の適用範囲が大きく異なります。どちらの治療が自分の生活や予算に合っているかを考えるために、まずは数字と特徴を押さえておきましょう。

厚生労働省の「歯科インプラント治療のための Q&A」では、インプラント治療は外科手術を伴い、診査・診断・治療計画・アフターケアまで総合的に行われる必要があること、その分費用や時間がかかる点が示されています。

治療費用と保険適用の違い

治療費用の大きな違いは、インプラントは自費診療である一方、ブリッジは条件により保険が適用される点です。ただし、保険が使える場合でも素材や設計によって費用が変わることがあります。

インプラントとブリッジの費用・期間・保険

比較項目 インプラント ブリッジ
費用の目安 自費(高め) 保険適用可能(安め)
保険の適用 原則自費 条件により保険適用
治療期間 数か月 数週間〜1か月
外科処置 あり なし

※ 費用の目安は保険適用範囲や素材、医院によって差があります。

治療期間はどれくらい?

インプラントは骨に人工の根を埋め込む外科処置を伴うため、埋入後に骨と結合するまで待つ期間が必要です。そのため、治療開始から人工歯が装着されて噛める状態になるまで、おおむね数か月かかるのが一般的です。

治療にかかる時間や通院頻度については、歯科医院で患者さんが納得できるまで説明を受けましょう。

一方、ブリッジは支えの歯を削って人工歯を固定するだけのため、比較的短期間で治療が完了します。通常は数回の通院で治療が終わる場合が多いです。

治療後の費用

費用だけで選ぶと、保険が使えるブリッジが選ばれがちですが、将来的なメンテナンスや再治療の可能性を含めて考えることが大切です。たとえばブリッジを支える歯が弱くなると、再治療が必要になる場合があります。

治療法を選ぶ際に適応条件や全身疾患、口腔の状態を総合的に判断することが大切です。費用だけでなく、治療後の満足度や生活の質、将来の再治療の可能性まで考慮すると安心です。

第4章 日常での使い心地と長く使うためのポイント

失った歯を補う治療では、見た目だけでなく「実際の噛みやすさ」も重要です。インプラントは顎の骨に固定されるため、自分の歯に近い感覚で噛めるといわれています。ぐらつきが少なく、硬いものでも力をかけやすい点が特徴です。

一方、ブリッジは両隣の歯を支えにして固定する構造です。日常生活で大きな不便を感じることは少ないですが、噛んだ力は支えの歯に分散されます。それぞれ噛み方の特徴が異なるため、口の状態に合わせた選択が必要です。

長く使うために大切なこと

インプラント治療後は定期的な検診と清掃が欠かせません。骨や歯ぐきの状態を確認し、トラブルを早めに見つけることが長期安定につながります。インプラントは歯周病になっても自覚症状に乏しく、放置すると悪化してインプラントを抜かないといけなくなることがあります。
自覚症状がなくても定期検診を行いましょう。
 参照:厚生労働省「歯科インプラント治療のためのQ&A」
 https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-02.pdf

ブリッジも同様に、支えとなる歯の健康管理が欠かせません。どちらの治療を選んだ場合でも、毎日のブラッシングと定期検診を続けることが、快適に使い続けるためには欠かせません。

第5章 どっちを選ぶ?インプラントとブリッジの向き不向き

歯を失ったとき、インプラントとブリッジのどちらが自分に合っているかは、口の状態・生活スタイル・費用感・全身の健康状態などさまざまな視点から考慮します。ここでは具体的な状況ごとに、どちらが向いているかを整理していきます。

日本口腔インプラント学会のガイドラインでは、インプラント治療を行う前に全身疾患の確認と口腔内全体の診査を慎重に行うべきことが示されています。治療法を選ぶ際は歯科医師と相談し、基礎疾患がある場合は内科と提携した治療が求められます。

参照: 日本口腔インプラント学会 口腔インプラント治療指針2024
https://www.shika-implant.org/shika/wp-content/uploads/2024/03/shishin2024.pdf

インプラントとブリッジの向き、不向き

以下の表は、条件ごとに「どちらの治療が向いている可能性が高いか」を整理した表です。一般的な傾向ですが、治療法を検討する際の参考になります。

条件別・向いている治療法

状況・条件 インプラントが向いている ブリッジが向いている
健康な歯を削りたくない ×
全身疾患(糖尿病・骨粗しょう症など)がある △(歯科医院で要相談)
保険適用を希望 ×
治療期間を短くしたい
将来的に周囲の歯への負担を抑えたい
骨量(あごの骨の量)が少ない △(骨造成が必要な場合あり)

◎=比較的向いている/△=条件付きで向いている/×=向きにくい

全身の健康状態と治療の選択

インプラントは外科手術を伴うため、健康状態が安定していることが条件です。糖尿病や心疾患などの持病がある場合は治療計画に影響する可能性があります。内科と連携して、血糖値を安定させながら治療を進めていきます。歯周病など口腔トラブルがあれば、まずは歯周病治療で症状を抑えるのが前提です。

一方、ブリッジは外科処置が不要なため、比較的全身状態の影響を受けにくい傾向があります。ただし、支えとなる健康な歯がしっかりしていることが前提です。

生活スタイルや優先したいポイント

治療法を考えるときは、費用・期間・日常の使い心地・将来的な影響を総合的に考えることが大切です。例えば、「隣の健康な歯を残したい」「硬いものも気にせず噛みたい」という方にはインプラントが向いている可能性が高いです。「治療をできるだけ短期間で終えたい」「健康保険を活用したい」という方にはブリッジが選択肢として適しています。

自己判断だけで決めるのではなく、歯科医師に相談することで満足度が変わります。診査結果や生活背景を考慮して、最も自分に合った治療法を一緒に見つけていきましょう。

まとめ

インプラントとブリッジは、どちらも失った歯を補うための治療法ですが、仕組みや体への負担、費用、将来への影響は大きく異なります。

治療法を選ぶ際は口の状態だけでなく、全身の健康状態や生活背景を含めて総合的に判断することが大切です。健康状態によってはインプラントを選べないこともあります。費用や期間だけで決めるのではなく、将来の見通しやメンテナンスの継続も含めて考えましょう。迷ったときは、検査結果をもとに歯科医師と相談すると判断しやすくなります。

 

作成日 2026年2月22日

参考文献

日本口腔インプラント学会 口腔インプラント治療指針2024
 https://www.shika-implant.org/shika/wp-content/uploads/2024/03/shishin2024.pdf

日本口腔インプラント学会 入れ歯やブリッジとの違いは
 https://www.shika-implant.org/min-implant/beginner/difference/

歯科インプラント治療のためのQ&A 厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-02.pdf

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